出版賞
若江雅子著「膨張GAFAとの闘い デジタル敗戦 霞が関は何をしたのか」
受賞者名:若江雅子
選定理由:個人情報(パーソナルデータ)に関するGAFA支配の実態を、日本の政策的な側面から赤裸々に描き、文字通りこれに対抗して闘う先駆者達の活躍を彼らのバックグラウンドを含めて描き出し、低価格の「新書」という形で出版された。通常、技術面やビジネス面で描かれることが多いパーソナルデータをめぐる戦いを、政策的側面とその場で戦う個人的側面から生き生きと描きだし、GAFA支配の現状と彼らにまったく相手にされない日本の現状に警鐘を鳴らすとともに、闘いを挑む個人に勇気を与えた。パーソナルデータに関する主権を、GAFA(企業)から個人に取り戻すというMyDataの原則に即した世界の実現にむけた良書であり、日本の中での戦いと世界での戦いの両方を正しく考えていくきっかけになる本書に敬意を表し、ここに表彰する。